石原慎太郎氏が「中国と戦争して勝つ」と明言

石原慎太郎氏は「週刊現代」(2014年8月9日号)のインタビューで、今の野望は何か、と聞かれてこう答えたという。
「支那(中国)と戦争して勝つこと」

このニュースを見た時には驚愕した。
ここ数十年で時代が完全に変わっている事を把握しきれていないとしか思えない。
中国と戦争をする事に合理性はない。
現在は一作家だが、元東京都知事として影響力ある立場でこのような発言をする事にも、人間として、日本人として合理性を感じない。もしも自分が中国人でこのニュースを見たらどう感じるだろうか?

彼の公式サイト『宣戦布告.net』(この公式サイト名にも目を疑った)を見ると、彼は中国に覇権が渡る事を恐れている。その部分を引用させて頂く。
「私が恐れるのは、もし日本が誰よりも相手に悔られ、その矛先が最初に尖閣諸島に向けられ日本がそれに屈した時のことである。他の東アジア諸国の動揺は大き く、アメリカが慌ててそれに対応しようとしてもすでに時遅し、中国のアジアにおけるヘゲモニーは容易に確立されるに違いない。」
注(ヘゲモニー:覇権)

この引用部分だけなら、一部共感出来なくもない。ウイグルやチベット、東南アジアでの中国の振る舞いを見れば、上記のような事も考えるのは当然の事だ。
しかし、野望は何かと聞かれて答えた「支那(中国)と戦争して勝つこと」という発言は全く次元が違う。
「防衛の為の苦肉の策」ではなく、「積極的に行いたい事」になってしまっている。
現状を冷静に理解して、次の世代の事を考えている人間の発言とは思えない。

なぜ、そう思うのか。
なぜなら、現代は大規模な戦争ができない時代だからだ。
世界中が混乱に陥れば核兵器の使用が無いとは言い切れない。
そうなれば直接的な被害に加え、地球環境にどれほどの影響を与えるだろうか。
現在、世界中に核兵器が17000発以上存在している。
太平洋戦争時とは状況が全く違う。
しかも現代の核爆弾の威力は広島、長崎に投下された物の比では無い。
かつてアインシュタインが第三次世界大戦ではどのような兵器が使われるかと問われて、こう言ったという「第三次世界大戦についてはわかりませんが、第四次大戦ならわかります。石と棍棒でしょう。」

日本と中国が戦争をすれば、ほぼ確実に大規模な戦争に発展する。
石原慎太郎氏は「通常戦争なら、日本は勝てる」と言う旨の発言を2012年にしていたようだが、どこの誰が「通常戦争なら」という前提をコントロール出来るのか。
一人の若者の銃弾で始まった第一次世界大戦の結果を、発砲事件当時、誰がコントロール出来ただろうか。
加えて、中国は240発の核兵器を保有している。

仮に、中国と戦争をしたい理由が経済的理由を含んでいるとしても、戦争は的外れに見える。
あと20年で中国のGDPが日本と並ぶと言われる現代、いずれは中国がアジアの主権を握る国家となる事が予想されている。中国が物理的に覇権を握らずとも、経済的にアジアでの主導権を握るというものだ。
しかし、忘れては行けない事は、「資本主義経済」、「民主主義」、「グローバリゼーション」自体が破綻する目前だということだ。
これら三つを同時に維持するには前提として、「未開の市場」と「地理的経済格差」が必要不可欠だ。
かつての発展途上国が発展して来た今、もはや機能していない。
経済格差を国家間から、国内の経済格差に切り替えて「民主主義」を犠牲にして来たが、それも時間稼ぎに過ぎない。
実際の地球上の資源の限界を無視して無限の消費を繰り返す事を前提にした「資本主義経済」を続けられる訳が無い。
そのサインとして、オイルショック、リーマンショック、アメリカの金融帝国化、欧州危機、日本国債の利子率の低下などが起きて来た。
資本主義という前提自体が不安定な今、戦争で経済的主導権を左右する事も、誰かが戦争景気で利益を上げようとする事も確実性の低さから合理性を欠く。

しかし同時に、ただ戦争をしたくないという理由で、反戦を叫ぶのは非常に危険だ。
なぜなら、戦争をしたくなくても侵略される可能性があるからだ。
武力的弱者を強者が侵略する事は歴史のどの瞬間にも起こって来ている。
戦争を防ぐ事はただ「戦争は嫌だ」とだだをこねるだけでは絶対に不可能だ。
今この状況で戦争をしない為には、国民の大半が高度な外交知識を有する事が必要になる。
さらに、「非武装」「戦争放棄」の状態で今後も戦争をしない為には、ただ「戦争をしない」を達成するよりも遥かに高度な外交技術を我々自身が身につけることが必要不可欠になる。

ただ戦争は嫌だと言って武装解除をして平和を叫んでも、そんな結果は絶対に得られない。
戦争が嫌なら我々全員が当事者として、本気で学ばなければならない。

戦争で調べていると、「ももクロが語った戦争認識」についての記事を見つけた。
こんな受け答えをしている。

「徴兵制みたいな紙が家に来ても困るよね。自分の命も大切に思ったほうがいいと思う」(玉井)
「パパにも戦いに行って欲しくないと思っちゃう」「戦争するメリットが、あんまりピンとこない。デメリットばっかり出てきちゃう」(佐々木)
太平洋戦争について「日本が強くて、島をどんどん拡げようとしてたから、アメリカがそんな自分勝手なことするなって言って、戦争勃発み たいな感じじゃなかったっけ?」(高城)
当時の地図を見て「まじで!? これ全 部?」(百田)
「そりゃ、もっともっとってなるね」(玉井)

彼女らの事について何かを言う気は無い。
むしろ、彼女等なりの考え方で、戦争に反対という意思をメディアで発言した事は勇気ある行動だと思う。
ただ、一部の日本人の意見を反映している発言として引用させて頂く。
この発言を見て、どう感じるだろうか?
反戦を叫ぶ人の中に、こういった認識の人が多いとしたら、日本は危険な状態ではないだろうか?

戦争に行きたくなくても、行かなければならない状況もある。
メリット、デメリットを吟味してこちらから仕掛けるだけが戦争ではない。
一つ一つの戦争発生の経緯は単純な物ではなく、歴史と深く絡み合っていて、それぞれの立場があり、二元論で見る事はできない。

日本は世界に先駆けて技術を革新し、資本主義経済の限界に真っ先に行き当たった国として、できる事が山ほどある。
もしも先進国である日本で、資本主義に変わる新しい時代の仕組みを作り、国民一人一人が自ら進んで本質的な事を平和への意志を持って学び、政治に参加し、知力をもって「win win」の関係と調和を人、国家、自然の間で作る事から平和を維持出来たならば、それは人類史上最大の進化と言っても過言ではない。

「人間」と言う物には「恐れる」、「怠ける」、「現状を維持したがる」と言った基本的な性質がある。それが常にこの進化の邪魔をしてきた。
その中で、日本が歴史上この進化に最も近い所まで来ている。

これができなければ、崖っぷちの現代では人類存亡の危機。
達成出来れば、争いが無い故に社会効率が上がり、労働時間は圧倒的に減り、多くの人が創造的な活動に時間を使えるワクワクするような時代になる。

まずは日本から手本を見せる事。
それを皆さんとできればと願っている。

最後にムヒカ大統領とチャップリンの伝説的な演説を添付する。
まだ聞いた事の無い方は是非聞いてほしい。
http://youtu.be/Q7aJcf_Lexs


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