時代を代表する、偉大な先人たち。
その英知の結晶。
それが一冊の本。

激動の人生の、学びの集大成を、
数時間で体験させてくれる。

人類にとって、それ以上に価値ある物があるだろうか。
そんな宝物が世界中に溢れている。
そして、それは望めばいつでも手の届くところにある。

人生を通して、多くの本に心を震わされ、感動し、大きな学びを頂いてきた。
それは、偉大な先人たちに扉を開かれて始まる心の旅だった。
その旅で感じる喜びは、言葉で言い表すことはできない。

けれど、ここでそんな宝物をご紹介することで、
ご縁のあった方とわずかでも感動を共有したい。

心の宝となる一冊との、素晴らしい出会いになりますように。

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ー人生で影響を受けた本ー
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【一万年の旅路】
アメリカ先住民が代々受け継いできた一万年の物語。
それは、驚くべき歴史の証言と、学びに溢れていた。
約一万年前、彼らは現在の日本列島、サハリン、朝鮮半島付近にいたという。そこから、北へ向かい、ベーリング陸橋を渡って北米大陸へ。
その一族の旅路は決して平坦なものではなかった。
異民族との出会い、数々の困難、新たな発見、そこから得た無数の学びと知恵の数々。
全てが史実かどうかは誰にもわからない。
しかし、遥かな旅路から見える世界は心躍らせてくれる。

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【アメリカ・インディアンの書物よりも賢い教え】
インディアンは文字を持たない。
沈黙の中、知識よりも知恵を愛する。
そこから放たれる珠玉の言葉は、矢のように心を射抜く。
ありのままに世界を見て、そこに生きようとする知恵はどこまでも深く、愛に溢れている。
人の心、自然との調和、家族、生死、それらを抱擁するようなあり方。仏教の悟りの境地にも似ていながら、謙虚で、自然に寄り添い、人としての喜びに満ちた、生活の中での実践的な考え方の数々。それは個人ではなく、社会としての悟りともとれるもの。
シンプルな一言が、一ページいっぱいに広がる瞬間、それはびっしりと詰め込まれた長文に勝る深みを雄弁に物語る。
インディアンの世界に飛び込むきっかけをくれた一冊。

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【パパラギーはじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集ー】
それまで文明社会を見たことがなかったサモアの酋長が、20世紀初めにヨーロパ諸国を見聞した。
彼の眼に映る文明社会は驚きの連続だった!
文明社会に生まれ落ちた我々には、持ち得ない視点から見る現代社会。
「一本のヤシの木ほど素晴らしいものはないのに、それを破壊してお金に変えて、また自分で作ろうとする」
彼が類い稀なる洞察力で表現する世界は、不思議と矛盾で溢れている。
素朴な言葉の中に、人間の根本を考え、未来のあるべき姿に想いを馳せるたくさんのヒントが詰まっている。

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【菜根譚】
中国の古典。
儒教、仏教、道教に通じた洪自誠が語る人の道。その一言一言の深さには、真摯な学びと、実践が温度を持って感じられる。
日本で見られる中国古典は儒教に基づくものが多く、その教えの多くは仏教との矛盾がある。それゆえ、仏教は孔子や孟子などの儒家に嫌われた。しかし、儒、仏、道を真摯に学び抜き、自身の中で統合した洪自誠の言葉は、日本でも有名な四書、「大学」「中庸」「論語」「孟子」にも勝る輝きを放つ。
菜根譚の名の通り、いかにも草の根のように純朴で、透き通る水のように純粋な心で洞察する人と世界。洪自誠は若くして科挙に合格するも、エリートコースを退き、道教や仏教の研究をしていたという。その生き方と、純朴さのせいか、この本は中国ではあまり重んじられなかった。
しかし、儒教と仏教の両方を背景としている日本人にとっては、自然と心の奥まで入ってくる懐かしさがある。

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【二年間の休暇】
人生で初めて読んだ本だった。
海難事故により、少年たちだけで無人島に取り残されてしまう。彼らは不安に駆られながらも、勇気を持って、運命に立ち向かう決意をする。生き残るための水や食料の確保。島の中の探検。島を脱出して故郷に戻るために知恵を出し合い、計画を実行に移してゆく。
苦難の連続。それを一つ一つ乗り越えてゆく。
子供の頃、「もしも自分の身に起こったら、同じように行動できるだろうか」と思い、ドキドキしながらページをめくった。文字を見ているはずなのに、目の前に見たこともない大自然の映像が広がる。日本に暮らす自分に、全くの別世界を体験する衝撃を教えてくれた。今読んでも古くない、冒険の原点となった良書。