現在、ジブラルタル海峡北岸。
この海の向こうに見えているのがアフリカ大陸。
放浪の旅の最後の舞台。
日本を出てから約5年。
長いようで短い時間で気づかぬうちに様々な事を学んだ。
水と食料さえあれば何が無くてもストレスにならなくなった。
食も数日断食する事に何の問題も無い事を知った。
石けんもシャンプーも洗剤も必要ない。
英語と少しのスペイン語を話せるようになった。
情報も無く、言葉の通じない土地に行く事にもストレスを感じなくなった。
誰にでも話しかける事ができるようになった。
誰にどう見られようと、自分の芯に背かない限り一切気にならないと知った。
何人とでも友達になれると知った。
心を閉じれば、どこにいても孤独であると同時に、
心を開いていればこの世界に孤独でいられる場所など、どこにも無いと知った。
ただ生きて、死ぬだけだと知った。
今では、普通の事で、単なる日常だけれど
5年前、日本から出た事がなかった頃の自分には想像もできなかった事。
こうしてアフリカ大陸を前にして、心は穏やかで、恐れはない、油断もない。
激しい興奮はないけれど、じわりとしたワクワクを常に感じる。
子どもの頃に憧れた砂丘や、サファリ。
人類発祥の地。
約10万年前に我々の祖先が未知なる世界への旅立ちを決意した土地。
そこに住む遠い親戚たち。
未来に目を向けると過去が見える。
ここに立ってつくづく思う。
自分は本当に出逢いに恵まれている。
古い友達や、旅で出逢った人々、同じ目的を持って出逢った同志達。
そして、こうして耳を傾けてくれる方々。
皆のお陰で今の自分がある。
今ここにいられる事に幸せを感じながら
これからのアフリカの旅に思いを馳せながら
日本に帰る事も楽しみで仕方ない
いつも本当にありがとうございます。
また会える日を心から楽しみに。
ちょっくらいってきます!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジブラルタル
かつて世界の果てと言われた土地。
神話にヘラクレスの柱として語られる。
近代では難攻不落の要塞。
イギリスとスペインが領有権問題を抱えているが、現在はスペインの南端にあってイギリス領。
人々もここでは英語を話している。
人に道を尋ねながら歩いて登っていく。
猿がたくさんいる。
道はスペイン独特の真っすぐな日差しと、白い崖、そして緑のコントラストが美しい。