政治について

『集団的自衛権 解釈変更』

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安倍首相は7月1日の臨時閣議で、自衛権発動の要件について憲法解釈を変える閣議決定をした。
大変重要な上に複雑な問題なので、これに関わる様々な情報を少しまとめた。

解釈変更前:自衛権発動の要件
① わが国に対する急迫不正の侵害があること
② この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと
③ 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

解釈変更後:自衛権発動の要件
① 日本への武力攻撃や密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある
② 日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない
③ 必要最小限度の実力行使にとどまる

◎反対派の主な主張
•    憲法改正の厳格な手続きが必要
•    近隣国との関係が改善されない中では、緊張はかえって高まる
•    米軍を守るべき状況でも、個別的自衛権で対応できる
•    戦後日本の「平和主義」方針からの逸脱
•    海外派兵につながるおそれ
•    砂川事件判決は、集団的自衛権を念頭においたものではない。ご都合主義のこじつけ

◎賛成派の主な主張
•    時代の変化に即した憲法解釈の変更は妥当
•    安全保障情勢が悪化しており日米同盟の抑止力を強化するために必要
•    米軍が攻撃されても日本は放置するしかないという状況は是正すべき
•    「積極的平和主義」の具体化には不可欠
•    一国平和主義は通用しない
•    現行の憲法解釈と一定の論理的整合性を保っているバランスのとれた考え方

◎様々な立場の人々
1 現行憲法と現行解釈絶対厳守。安全保障は既存の枠組で十分。集団的自衛権はとんでもない。

2 現行憲法は守るべきだが、安全保障の選択肢も確保したいので集団的自衛権行使も容認してかまわない。

3 法治国家としての整合性と自衛隊の追認という意味で改憲には賛成だが、法治国家としての整合性をさらに歪めることになるので、集団的自衛権行使の解釈変更には反対。

4 法治国家の整合性を厳密には問わない。現状でも整合性は曖昧であるし(もちろん建前として、制度として、整合していることにしているが)、安全保障の選択肢を拡大する重要性は優先順位が高いから、解釈変更断行。そしていずれは憲法そのものも改憲。

5 (改憲にしろ護憲にしろ)安全保障の選択肢自体が拡大するのはいいかもしれないが、それを運用する政治家がまったく信用出来ないし、予想される運用自体も米軍の使いっ走りしかないだろうから、集団的自衛権の解釈変更には反対。

6 よくわからないが政府がやるなら問題ないだろ

7 なんとなくまずいと思うけど、しょうがない

各紙のスタンス
・反対
朝日新聞
毎日新聞
・賛成
日経新聞
産経新聞
読売新聞

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明らかに分る通り、二元論で考えられる問題ではない。
どちらが正義で、どちらが悪でもない。
どちらが売国奴でも、どちらが軍国主義でもない。

法は我々の在り方に影響を与えるが
法は国ではない
国は我々だ

我々の動きが国の動きに繋がる。

誰かを悪人と決めつけるのは時期尚早ではないか。
脚光を浴びる安倍首相を始め、人の意図の最深部を誰が知り得ようか。
問題意識を持ち、行動する事は素晴らしい。
デモンストレーションをして人々に問題を周知してもらう事も大切だ。
しかし、不確実な情報を元に国内で衝突してもより良い状況になる確率は低く、効率も悪い。

目に見える問題に短期的に取り組む事は簡単だ。
目的が集団的自衛権の解釈変更阻止や打倒安倍政権なら簡単で話が早い。
手っ取り早く、感情を行動に結びつけられる。
しかし、それを目標にしてしまえば本当に大切な事を見失うのではないか。
自分や家族や国や世界の幸せを願い目指す、その為の短期的な目標であるべきだ。
本質を見失わなければ、短期的な目標を達成出来なくても絶望する必要は無い。
その上、短期的な目標が無くても、本質的な目標を目指して日頃から効果的な行動を実践し続ける事が出来る。

いつでも実行出来、より良い状況になる効率がよく、確率も高い方法がある。
地球全体の自然のサイクルを理解し感謝する姿勢を忘れない事。
日頃、挨拶をして人に優しくして人々との交流を楽しむ事。
外国語を身につけて個人レベルで様々な国の人と交流を深める事。
日本の置かれている国際的な立場や歴史を学ぶ事。
先入観を抜きにして様々な立場や意見の人々と対話して情報交換をする事。

政治家よりも多くを知っているなら声を荒げなくとも社会に影響を与えられる。
政治家よりも多くを知らないなら誰かが100%悪者だと決めつける事は出来ないはず。

上に挙げた4つのような事はいかなる状況だろうと、個人や国や世界を良くする為にプラスに働く。
今回はもうすでに解釈の変更が決まった。
それに賛成だった人は、「平和の為に」という事を決して忘れてはならない。
それに反対だった人は、落胆してやる気をなくしたり、あえて自ら次の「敵」を探す必要は無い。いついかなる時も、敵を必要としない最も効果的な行動の選択肢は残されている。

賛成だった人々も、反対だった人々もこのように動けば、善くも悪くも一政治家の意図とは関係なく国はそう動くしかない。
子どもたちに美しい未来を渡せる事を願って。
ありがとうございました。

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◎参照 必見
・平成26年7月1日 国家安全保障会議決定 閣議決定

・防衛省・自衛隊 憲法と自衛権

・YOUTUBE 安倍総理大臣 集団的自衛権に関する記者会見

◎参照 参考
・極東ブログ 集団的自衛権・閣議決定、雑感

・MEDIA WATCH JAPAN 集団的自衛権

・「集団的自衛権」海外メディアはどう報じたか

・集団的自衛権の考察&観念的平和論と個別的反戦論

・安倍首相「戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく」 集団的自衛権行使容認で

・「戦争できる日本」を公式宣言した安倍晋三

・安倍晋三とは何者なのか~小泉内閣・拉致被害者の帰国~

・Facebookページ『世界放浪徒然草』

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