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3年目のサンダンス無事終了した。
4日間水と食を断って踊り、最後に自分の体に刺した木の棒をロープで聖なる木に括り付けて、自分の皮膚を引きちぎる。アメリカ・インディアンの伝統的な祈りと感謝と学びの儀式。もの凄く多くの意味がある。
去年は一日目に木の棒を刺して4日間ロープで木と繋がったまま外で過ごす方法で行った。
その時に4日間一緒に過ごした仲間がいた。
パットと言う若者。
インディアンを目覚めさせて、世界にいい影響を与えようとしている。
頭が良くて、心身共に驚くほど強く、優しい。
それぞれの国で同じ事をしようとしているかけがえの無い仲間。
去年は、日本の文化やインディアンの文化、日本とアメリカの現状と未来を木に繋がれた4日間話し続けた。その後しばらく泊めてもらって、車でニューヨークに2日かけて送ってくれた。

今年は殆どの人がやるように、最終日に木の棒を入れてそのままちぎる方法でやろうと思っていた。
周りにもそうしようかと考えている事を言っていた。
今までは自分の限界に挑み続ける形だったけれど、限界まで自分を追い込んで余裕が無かった。今年は周りを冷静に見てサポートもしたいと思っていた。
しかし、開始前日、去年一緒に木の下で過ごした仲間が今年も4日間木に繋がったまま過ごす事を考えると、自分がそれを尻目に樹の下からはなれて日陰で過ごしたり、テントで寝る事が全く想像出来ない。
やはり、1日目に刺して樹の下で4日間過ごすしか無いと心に決めて当日を迎えた。
やるならやはりとことんやる。

当日の朝、パットが他の人に「今年は最終日に入れる。樹の下で4日間過ごすのはやめる」と話している。
自分「そうなんだ。自分の感覚に従うしかないから仕方ない。俺はどっちにしても一日目にいれるよ。」
パット「は?考えを変えたのか?・・・・俺も一日目にいれるよ。お前がやるなら俺もやる。」
自分「そりゃそうだよな!俺も同じだ!」

一度も口に出さなかったけれど、はっきり言って恐かった。
そして、パットも同じように恐れを抱く事があるとは思っていなかった。
去年はお互いに一人きりで過ごすつもりでサンダンスを迎えた。
お互いに恐れの片鱗も見せなかった。
ただ決めた事をやり切るだけ。

しかし今年は、やれば出来ると分った事が、それほど苦しむ必要があるかとお互いに考えさせた。
今年は雨が多く、夜は気温10度以下。蚊ももの凄く多い。毎晩、外で寝るのは賭けになる。
木の棒を刺してロープで繋がったまま踊り続けるのは楽じゃない。
しかし、それでもはっきりと意義を感じられる。

いつでも決断すれば、誰が居ようと居まいとただやり切るのみ。
ただ今年は同じ方向を目指しながら、一緒に限界に挑んでやり切った仲間が決断のきっかけになった。
パット「俺は親友を銃撃戦で殺された。その日に限って一緒にいなかった。隣で加勢してやれなかった。一緒にいてやるべきだった。二度とあんな事は起こさない。死んでも友達は守る。お前は兄弟だから俺が守るよ。」
自分「そうか。俺もお前を守る。」
完全に本気だから冗談で返せない。

日本では仲間を銃撃戦で失ったり、日々それを想定して過ごす事は殆ど考えられない。
アメリカ人だってそういう人が多い分けじゃない。
しかし、これが彼の日常。

守ってもらいたいとは思わない。
自分で生き残る。
それでも、隣に彼がいる事がどこまでも心強い。
背中を預けられるというのはこういう感覚なのだろう。
背中を任せて安全かどうかは度外視で、彼の心意気と本気を感じると結果はどうなっても背中を任せる事で後悔する事は絶対にないと分る。もちろん心身共にこれほど強い男はそうはいない。
自分も合理性以前にこいつの背中を守る事を決められる。

限界まで追いつめられて笑い合えた時、気遣い合えたとき、互いに背中で勇気づけられた時、初めてこう感じるのだろう。
自分の体の一部のような感覚。

だから、自分は彼が外で過ごすのに自分が外にいない事が出来なかった。
彼は、自分がいないなら四日間外で過ごすほどの犠牲を払う必要がないと思った。

誰かや何かの為に本気で祈る為にここまでの苦しみと犠牲を差し出す。
物理的な効果は目に見えないし、本当に効果があるかは信じるしかない。
その為に、ここまでやる。
何も得られないかも知れない事に、それも自分の為ではない事に、気持ちだけでこれだけ賭ける。
こんなに信用出来る人間もいない。
絶対に二言は無い。

仲間がどれほど重要かという事を改めて痛感した。
お互いに、どれほどの支えになって、助けになって、力になるのかは計り知れない。

「お前がいたから強くあれた。」
どちらが先でもなくお互いにそんな事を言っていた。
生きていて良かったと想える出逢い。
死ぬまでの全ての瞬間の楽しみが増える出逢い。
ただ、ありがたい。

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今後、数回に分けて今回のサンダンスで得た学びや、感じた事を書いていきます。
いつもありがとうございます。