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シリア大使にお会いしてきた。
広々とした応接間のテーブルの上にクッキーのようなお菓子が置いてある。
「私が作ったのよ!シリアの伝統的なお菓子なの。」
今回でお会いするのは4回目だけれど、今までで一番表情が明るい。
今までも明るかったけれど、ホッとして心の底から笑顔が出ているように感じる。

「最近、シリアの状況が良くなってきているの!」
「シリアは弱り切っていて他国を害する見込みもないし、アメリカがシリアを思い通りにできないと気づき始めて干渉を弱めてきてる。
国内で活動するあらゆる勢力が、他国と繋がっているから、国内の問題でも、アメリカ、EU諸国、カタール、サウジアラビア、イスラエルなど、多くの国と合意の上で、落とし所を決めて、事態の収拾を図らなければならない。その調整をロシアが全面的に進めてくれている。
シリア国内で活動する、ISISやヌスラ戦線には世界中から来た人々が含まれているけれど、シリア人ならば、すぐに武器を置けば罪には問わないという合意が取れている。それでも政府と折り合いがつかない人は緩衝地帯を設けて、そこには攻め込まないことに決まっている。
この方向で進めば、きっと情勢は良くなっていくわ。」
「多くの国々で、誤解があるようだけど、シリア政府は悪い考えで運営されているわけではない。だからこそ、こんなに長い間混乱が続いても、情勢が良い方向に向かえるほどに多くの国民が政府を支持してる。もちろんシリアには苦しんでいる人々や、政府に不満を持っている人々がいる。それは事実。だけど、自分の思い通りにならなくて不満を持つ人や、苦境に立たされている人はどこの国にでもいる。だけど、そういう人たちが武器を持って国家を攻撃することはあなたの国では許されないでしょう。どの国でも許されない。違法なはず。なのになぜ、アメリカや他の国はそういった人たちに援助をするの。それは許されることなの?
どうして、国内のことを、他の多くの国に決められないとならないの。
私たちの政府は完璧じゃない。けれど私たちで私たちの国民がより幸せに暮らせる国にする努力がしたい。」

日本にいて、ずっと思ってた。
「あんまりだ!」

アメリカ政府の方針はひどいと思う時はある。
しかし、それはどこの国に対しても同じこと。
それぞれに意見の合う部分と合わない部分がある。
完璧な、方針や、主義や、憲法や、条約は存在しえない。

自分があんまりだと思うのは、「日本」に対してだ。
報道を見れば、明らかにアメリカ寄りの報道ばかり。
シリア政府やアサド大統領を意図的に悪のように印象付ける表現すら見られる。
それはひどすぎるんじゃないか。

アメリカはアメリカこそが正義だと主張し、それをアピールするのは当然だ。
どの国もそうしてる。

どちらが正しいと言いたいわけじゃない。
日本の振る舞いとして、
日本人は他国に関して、あまりにも偏った報道は避けるべきじゃないか。
印象操作をせずに、事実をありのままに伝えるべきなんじゃないか。

自分もアメリカ人の友達が心から大好きだ。
しかし、どんなに大切な親友でも、喧嘩をしていたら、止めるべきなんじゃないか。
問題が起きた時、どちらかが100%悪いということはあり得ない。
両方に非があるとしても、親友が圧倒的に強く、一方的な喧嘩になっていたら、一緒になってやっつけるのではなく、なおさら止めるべきではないか。
少なくとも、両方の話をよく聞かなければならないんじゃないか。
喧嘩両成敗なんじゃないか。
そして、親友ならば、親友だからこそ、万が一道を外れた部分がある時には、贔屓せずに冷静にその点を諭すべきなんじゃないか。

どちらが正しいと言いたいわけじゃない。
ただ、現状はあまりにも不公平だ。
そんな状況を目の当たりにすると、世界中の友達の顔が浮かんでくる。
申し訳ない気持ちと、恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。

国家として、特にアメリカ政府相手には、同調すべき理由も山ほどある。

しかし、近いからこそ、できる限りバランスをとって公平に振舞わなければならない。
これまで以上に、世界中の人がお互いの振る舞いを見ている。
これから、一人一人が世界に対してどう行動するか。
そこに日本の未来がかかっている。

「シリアの着物には遺跡を描いてくれているでしょう。それは破壊されてしまった文化財や国家を再建する決意を新たにしてくれる素晴らしいデザインだわ」

自分にできることから、積み重ねよう。