チューリッヒ 日記

青の滝 風邪ひき

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統合の集まりを終えた数日後、スイスの青い滝に連れて行ってもらった。
滝の裏側が洞窟になっている。
滝壺は青く輝く。美しい。
(アルプスの雪解け水。入ったら冷たいだろうな。)
思いついたらやるしか無い。笑

早速服を脱いで飛び込む。
バシャーン。
水の中から上を見ると青い光の中に、滝の落ちた衝撃で出来た無数の白い泡が踊っている。
本当に美しい。

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水流がさすがに強い。
徐々に身を刺すような冷たさを感じ始める。
水面に顔を出すと顔の横に滝が落ちて来ている。
上を見る。
光が差し込んでいる。
水しぶきの向こうの空は青く、木々は緑。
全てが輝いている。
痛いほど冷たいけれど、やはりその価値はある。

久々にさっぱりした。

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そして翌日風邪を引いた。
ただでさえ浴衣はアルプスでは薄着な上に、雪解け水に飛び込んだものだから当然だ。
喉、鼻、頭痛、熱、だるさ、立ちくらみ。
飛び込む前に何となくそうなる気はしていたけれど、思いついてしまったら仕方が無い。
直感的にやりたいと思った事を、冷たい、とか恐いとか、大変とか言う理由で避ければ自分に呆れられる。自分の良い訳は自分が一番わかってる。

久しぶりの発熱に、久々の感覚。
なんだか昔を思い出した。
子供の頃、高熱を出して学校を休んだときの事。
ただ横になって、家族が看病してくれる。
なんと有り難く、幸せな事だっただろう。
人からのどれほどの愛情を当然の事の様に気付かずに通り過ぎてきただろう。
今はただ、可能な限り何ともない振りをして過ごす。
大変な事だとか、これから悪化したらだとかそういう事も全く考えない。
ただ治療として断食をして、夜は温かくして寝る。
少しずつ良くなっていく。
旅の途中にこじらせる訳にはいかない。
当然、立てないほどには悪化はしない。

生存する為に、自分で出来ない事は減って来た。
追いつめられて誰も助けてくれなくても、その時はその時と覚悟もしてる。
恨みも後悔も持たない。
けれどこの事でふと昔を思い出し、人の気遣いの温かさを深く感じた。
自分自身の事が何でも出来る様になるのも良いけれど、あえて自分の事を差し置いてでも誰かの為になる事をするのも良い。
自分自身の事が何でも出来る様になるのも良いけれど、あえて人の助けを借りてその人の為にまた別の事で恩を返す。そんなのも良い。
同じ事を達成するにしても、信頼と絆と愛情を感じられる。

そういえば、そんな事は幼い頃はただ感じるまま自然にやっていた。
いつから変わったのだろうと考えてみる。
そんな昔の自分はどこかに置いて来た訳ではない。
ただ自分の範囲も量も大きくなって、その分そんな自分の出番も減って来ただけ。
ならばいつでもどの自分とも、会いたい時に会える様に良い関係を作っていこう。

全ての出会いは一期一会。
家族でも、街ですれ違う人でも。
一瞬の出会いでも、何十年を共に過ごしても。
それはこの人生の中の限られた時間。
後悔しないよう、生きている間に自分に出来る限りのいい物を差し上げたい。

出会って下さった方
これから出会って下さる方
心の底から感謝しています。
願わくば、自分と交わったあなたの人生の一部が少しでも心地のいい物であります様に。
ありがとうございます。

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