今年、2012年春に二年間滞在したオーストラリア・ケアンズ・グレートバリアリーフに別れを告げ、日本へ飛び、日本で2ヶ月活動してアメリカからスタートする北中南米の旅の準備をした。
最初の目的地、アメリカへ行く目的はアメリカン・インディアンとの出会い。そしてその教えや文化を見て学ぶ事。それは3年間英語圏に留まって英語力を付けることにした最大の理由の一つでもある。

なぜアメリカン・インディアンに惹かれるのか、それは一言で言えば「真の知恵」を感じるからだ。
日本で手に入る彼らについての情報からは、自然や人と人との調和や愛に一番の価値を置き、それらをこの世界でいかに実践するかを何百年、何千年かけて深めてきた人々である様に見えた。
現在世界を取り巻いている種類の社会がテクノロジーや利便性を追い求めて発展させて来た時間を使って、インディアンは冷静に物質的な利益と人としての幸福は比例しない事を洞察し、それ故に内面を深めて来たのではないかと直感した。もしもそうならば、今まさに彼らの知恵が現代社会に必要とされているのではないかと強く感じた。

これまで何人かの哲学者やいくつかの宗教について学んだが、インディアンの思想ほど違和感が無く、心に響く物は無かった。
この様な人々が本当に居るのなら、この命があるうちに実際に会って目を見て話をして、教えを受けなければならないと思った。

日本を出て三年。多くの学びを得て、準備を整えた。

2012. 6. 30
アメリカへの旅を開始した。

最初の目的地はミシガン州、世界の淡水の20%を蓄える五大湖の内のスペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖に囲まれた土地。
アメリカン・インディアンの儀式「サンダンス」を見に行く。「サンダンス」は現在アメリカ各地で行われているが、今回行くのはアニシナベ族のチーフの一人、デニス・バンクス(ナワ・カミッグ)によるものだ。

「サンダンス」には多くの意味があるが、最も主要な側面は感謝と祈り。そしてワカンタンカ(ラコタ語、大いなる神秘)、グレートスピリット(偉大な精霊)等と呼ばれる存在と繋がり、向かい合う事だ。

「サンダンス」は、4日間飲まず食わずで踊り、ピアッシングをする。
ピアッシングとは胸や背中の肉をつまんで引っぱり、木の棒を突き刺してもらい、その棒とダンスを行う円の中心に立てられた木とをロープで繋ぎ、引き千切るという物。
痛みと流血を伴い、過酷な物である。しかしこれはかけがえの無い自分自身を捧げる事で人間と自然界のバランスをとり、感謝を捧げ、祈る為の儀式である。詳しい説明はここでされているので興味がある方は目を通してみてほしい。

本当に楽しみだ。どんな出会いや学びが待っているのか。何を感じるのか。そこで自分は何をすべきなのか。あるいは彼らは思い描いているような人々ではないかもしれない。それでもただありのままを見よう。どの道完璧な人間など居ないのだ。今までに見た事の無い世界を見る事になる。どう転んでも学ぶ事は多い。今に至ってはあらゆる種類の先入観を捨てて、心を開いて感じられる物を感じよう。そんな思いだった。

こうしてアメリカ、インディアンの世界への旅が始まった。

今回の旅を実現させて下さった方々、特に秋山さん、辰巳さん、山田さん、高木さんににこの場を借りて再度お礼を言わせて頂きたい。長年夢見たインディアンの世界との出会い、それをこの上ない形で実現させて頂いた事、感謝が尽きません。本当に有り難うございました。