モンサンミッシェル フランス 人生について 日記

モンサンミッシェルでの一夜(フランス一日目)

モンサンミッシェル

フランス一日目、モンサンミッシェルへ。
息を呑むほど美しい。
この日はモンサンミッシェルを眺めながら外で一夜を明かす。

ここで出会った香港人「野宿するなんてアイディアは一切無かったけど、実際いいかもね。」
自分「最高だよ。」
香港人「もう最終バスが来るから行かないと。気をつけてね!」
自分「ははは。今日はここが家だから大丈夫。いい旅を。」

固い床で電気も水道も屋根も無い。
けど最高の一夜だった。

持たない事で、どこでも家になる。
人は産まれて、この世界を一瞬のうちに駆け抜けて消えて行く。
土地を持つという事は人のルールの中では重要な事だけれど、本当の意味では何一つ所有する事は出来ない。
逆に自分の物だと思い込まなくても、それはいつもそこに有るし、その美しさは変わらない。
その場を歩けば、腰掛けて眺めれば、それ以上そこから求められる物は無い。
美しいと感じている事実だけが全て。

誰かに持たない事を薦める訳でも、自分が生涯何も持たないと決意する訳でもない。
ただ人は幸せを求める。
幸せは心だけが決める。
持たない豊かさが、心に幸せを感じさせる事もたくさんある。
ただそれだけ。

美しい物を眺めながら外で眠る時。
一日一食パン一切れで済ます日、ジャムもバターも無くただパンを頬張って噛み締める時。
何一つその土地の情報が無く、道に迷って彷徨いながらも、ここはこの世界の一部でどことでも繋がっていると感じている時。
どういう訳か、深く幸せを感じる。
本当に有り難い。

ありがとう。

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