人類について

繋がる事

th_IMG_2081

人としての人生の中で何が一番大事なのか。
「幸せ」じゃないか。
自分の幸せ、そして自分が幸せになるには周りの人の幸せ、関わるあらゆる物の幸せ。子供や孫の世代、数世代先までの幸せ。
結局皆で幸せになる事。
そんな単純な事が人の人生で一番大切なんじゃないか。
もしそう思うなら、少し読んでみてほしい。

自分は環境問題に取り組む事を志して4年前に日本を出た。環境問題に取り組みたいなら環境を知らなければならないと思ったし、その時に何かに取り組んでも自分が効果的な存在になれるとは思えなかった。海も空気も世界中が繋がってる。環境問題をやるなら世界中で同時にやらないとならない。でも何をするべきなのか解らない。なら自分の目で見るしかない。そう思って旅を始めた。

旅を続けて来て今思う事。問題は自然をどう保護するかじゃない。人の心だ。
現在目に見えている問題は全て繋がっている。環境、戦争、宗教、食料、政治、教育、差別、貧富、経済、他、全て「密接に」繋がっている。どれか一つを切り抜いて癒す事など出来はしない。どんなに頭をひねってルールを作って何かを強制する事で解決しようとしても、必ずどこかに歪みが生じる。人類という種が世界中でここまで繋がり合って居る今、人類全体として全ての問題に同時に取り組まなければならない。
そこで全ての問題を同時に解決する鍵になるのが「人の心」だ。
上に挙げた問題は人の心が病む事で起きている。

健康な心で幸せに生きる為に大切な事は、自然と調和を保ちながら皆で幸せである事ではないか。それは明らかな事ではないか。
しかし、お金や新しい社会システムの常識が大切な事を元々知っている人々に目隠しをする。
知らない事が恐れを生み、怒りや争い、そして支配を生む。
足りない事が、欲と嫉妬を生む。
バランスを崩した生存本能が、自然や数世代先の幸せを忘れさせる。
目の前が見えない個人的な生存本能が、調和を破壊して自滅に向かう。

もうここまで来て恐れる必要は無い。
知らない事を恐れではなく希望に変えてもいい。
今まさに飢えに苦しんでいる人はそんな事を考えるなは難しい。それこそが争いを生み、足りている人が更に得る為に争いを起こす口実に利用されもした。しかし、皆が足りれば奪い合う必要は無い。腹が一杯の友達同士が一つのパンの為に殺し合いはしない。
その為に必要なのは裕福な物からの食料援助ではない。緑化と自給能力の確立だ。持てる側が搾取する為の経済システムに操られずにそれぞれの国がそれぞれの土地から豊かさを得る事。その為の助けこそ豊かな国が貧しい国にすべき援助だ。これは現在の「経済的」観点から見れば豊かな側はあえて豊かさを手放す行為になる。だがお金は食えない。
お金持ちで自分が裕福な暮らしが出来ているけれど忙しく、隣の国では多くが飢餓で苦しんでいる、それをお金の力で助ける事は出来ない。食料が無ければどんな大金でも買えはしないから。
一方、お金は少ないけれど必要な物は自分にも他の人にも身の回りに十分な食料があり時間的な余裕もある。こちらの方が豊かではないか。

兵器の製造をやめて戦争もやめて、その資本と最先端の頭脳と時間と労力を使えば土地が貧しい国を緑化して自給させる事は出来る。そうしたら争いの理由も溶けていくよ。
お互いを知らないで、恐れて誰かにそそのかされるから、形は違っても神や愛を大切にする物同志が殺し合える。けど今は知ろうと思えば自分次第でお互いを知る事が出来る時代だよ。
生きる事に余裕ができて、人を恐れずに、異常に何かに追い立てられたりコントロールされる事も無い人が考えるのは、幸せと美しい自然との調和の取れた生き方じゃないか。
景気って言葉を気にしすぎてただお金だけを作る人が増えれば、非生産的な仕事ばかり増えて本当に必要な物が減っていき、その値段が上がる。それを買う為に更なるお金の為に結局ただ労働時間が増えるばかり。その対価にお金の数字をどんどん上げても豊かになったとは言えない。生産的な仕事を増やしてお互いの必要労働時間を減らしていこう。

そんな夢物語のような事を実現出来る時代が来ている。もちろん時間はかかるしいくつかの段階を経なければならない。しかしそれは不可能ではない。
その為に実際に必要なのは人数だ。ネットワークの発展と共にそれを望む人数が加速度的に増えている。どれほど多くの人がそれを望むかにかかっている。そしてそれは「知る」という事にかかっている。我々一人一人の心にかかっている。

前置きが長くなってしまったが一つお願いをしたい。
旅を通して人々と共に幸せに生きられる社会や、自然との調和のために動いている人に数多く出会う事が出来た。しかし、同じ所を目指している人同士が対立してしまっている事が珍しくない。
些細な意見の違いや、プライドや嫉妬で協力し合う事が出来ない。同じ土地の援助をしているはずがやり方の違いで足を引っ張り合ってしまう。
これほど悲しい事は無い。そんな状況は無くしていこう。協力し合わなければやりたい事をやり遂げる事は出来ない。
同じ信念を持っているならやり方が多少違っても仲間じゃないか。どちらが偉大という訳でもない。
大きな変化を起こすには、多くの人が繋がらなければならない。
繋がろう!

日本こそがその手本を見せられる国だ。
具体的に平和をこの世界で作っていこう。

 

-人類について