ミシガン 世界について

『アースサミット 分離を包む力』

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北米、五大湖に囲まれたこの土地のインディアンが開いたアースサミットと言う集会で講演をさせていただいた。
カナダ、アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本から来た人々が地球、自然環境などを主軸に様々な視点からの話を聞く事が出来た。

英語での講演は二度目。
未熟な英語で出来る限りの事を伝えさせて頂いた。

・世界中の人々や環境の現状の報告。
・自然と人と国との地球規模での調和が求められている事。
・その為にそれぞれの土地に合った生き方を見直す必要がある事。
・その為に伝統文化を学び直し、自分の文化に誇りを持ち、他者の文化に敬意をはらって生きる必要がある事。
・日本の自然や人と調和する「文化」「神道」「道」「歴史」「国の在り方」などの概念の紹介。
・自分の土地と繋がりながら、活発に他地域との交流をして知り合う事で恐怖を克服する必要がある事。
・各国が食料、水、エネルギーの自給をして、貧困地域に教育を普及させる必要がある事。
・多少の違いがあっても、人や自然の事を本気で考えて活動している仲間が世界中にいて、その我々が様々な感情を乗り越えてしっかりと繋がって協力し合う事こそが一番の力で希望だという事。
だからこそ、こうしてこの場で各国の人々と繋がれた事への感謝。

話し終わった後にたくさんの方が感謝を伝えてくれた。
メールで希望を感じたと伝えてくれた。
何人かが、これから日本の文化をもっと学ぶと言ってくれた。
こんなに嬉しい事は無い。

どの地域にも、本気で世界や自然の事を考えている人たちがいる。
文化の違いや国民性はある。
しかし、それはただの多様性で、決して優劣ではない。

ありのままを見なければならない。
アメリカ政府のしている事と、一人のアメリカ人の考えは違う。
と同時に国民一人一人が国に影響を与えている。
世界中のあらゆるものに、言葉で表現することが出来ない、ただありのままの在り方があるだけだ。
全てが因果で繋がり合って、善悪は無いし、誰のせいでもない。

人は時に恐怖を抱き、それを頭の中で飼い慣らし、それが言動に現れ、最終的にそれを現実に創り出してしまう。
怯えていれば、些細な事で叱られる。
疑えば疑われる。
天真爛漫な人は愛される。
信頼すれば信頼される。

人は脳の防衛本能で7割の思考に恐れが混じる。
しかし、世界中が繋がって、戦う事が人類の危機に繋がる現代ではこの設定を変えなければならない。
もはや、洞窟で猛獣や外的に囲まれて生きる時代ではない。
他人を知り、己を知って、世界中を見て調和して生きられる時代だ。
7割もの恐れやネガティブな思考は足かせになる。

世界と歴史を見渡せば、この恐れから生まれる分離が最大の問題になって来た。
大航海時代には西洋諸国は、北中南米の先住民を分断して仲違いさせる事で侵略していった。
アメリカ合衆国では昔、「先住民をどうやって押さえ込むかと」という質問に答えて、時の大統領がこう言った。
「酒と我々のものよりも性能の劣る銃を与えておけ。」そうすれば内部で争いや分離が加速して部族は力を失って行くという意図だ。

アジアでもアフリカでも、倒したい勢力があれば内部分裂させる事が常套手段。

現代でさえ、インディアンの大きな部族は法的に分断され、かつて家族だった者たちが世代を経るにつれていがみ合い、争うようになってしまった。
誰もが「インディアンとしての権利と誇りを取り戻したい」という共通の想いを持っているにもかかわらず、内部での争いに忙しく、本当の目的の為に動けない。

これは日本人にとっては意外で不思議な事かもしれない。
では、我々はどうなのか。
様々な事で意見が違うだけで、日本人同士で敵視し合う必要がどこにあるのか。
なぜ、意見が違う相手を想像で悪意ある存在に仕立て上げなければならないのか。
右翼、左翼という言葉は誰がつくったどういう意味の言葉なのか。
皆、自分やその家族や国や世界の為を思いたいのではないか。

真実を追究して、様々な視野から広く議論を展開して行く事は必要な事だ。
しかし、ネガティブキャンペーンや不確かな情報と想像で誰かを悪意ある人に仕立てて攻撃する事は、我々の在るべき姿からあまりにもかけ離れているのではないか。
なぜ、誰かを否定したくなるのか、嫉妬するのか、その恐れはどこから来るのか。
自分の脳や心の癖を知って第一歩。
そこから外の世界と、自分自身を冷静に見つめ、恐れと向き合って公正に考える事が強さなのではないか。
幻想から分離を生むのではなく、僅かでも希望を増やして行く事が強さなのではないか。

原発、憲法第九条、環境問題、遺伝子組み換え、陰部論、TPP、イラン、イラク、パレスチナ、チベット、アフリカ、アメリカ、ユーロ、中国、韓国。
分離が障壁になっている。

和を尊ぶ国の我々が、先ず手本を示すべきではないか。
そこに技術力を先にアンバランスに発達させた人類が、心をそれに伴って進化させる道の入り口がある。

まず、議論をする時は、相手を違う意見を持った友人と見て話そうではないか。
どうかこの声が日本の皆さんに届きますように。

どうもありがとうございました。

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