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『治安の悪いデトロイトの優しい人々』

バスで8時間かけてデトロイトへ到着。
飛行場は郊外で、バスがあるらしい。125番という事だけは分ってる。
人に尋ねながらバス停に到着。
流石に雰囲気は重く、閑散としている。
車で通りかかった女性が話しかけてくる。
「どこ行くの?飛行場?遠いけど本当にバスがあるのかな?大丈夫?気をつけてね!」
なんだか温かい。

バス停で待つ事40分、若者が声をかけてくる。
「どこに行くんだ?」
「空港だよ。」
「あー、直通は今は朝しか来ないよ。乗り換えないと。」
「え、そうなんだ。なんかおかしいと思った。」

そこには時刻表も125番路線を表す数字も無い。

「俺も同じ方向だから教えてやるよ。」
「ありがとう。助かるよ。」
「マイクだ。」
「ケント。初めまして。」

彼はマグロの刺身が大好きで、日本にも来たがっていた。
自分「デトロイトは合衆国で一番治安が悪い都市なんだろ?」
マイク「一番悪い都市の一つだね。俺の子どもの頃は何かがあれば喧嘩をした。だけど最近の子どもたちは、何かあると銃を持って来て撃ちまくる。それがタフでかっこいいと思ってる。俺に言わせればそんなの臆病者のする事だ。くるってるよ。」
自分「銃が違法になればいいのにね。」
マイク「ああ、それが出来ればいい。だけど、銃を推進する人は強引だし、違法にしても所持する人は所持して悪さをする。その時に一般人が自己防衛出来なくなるのが問題だよ。」
自分「難しいだろうね。いいか悪いかは分らないけど、日本でも昔似た事があった。刀を違法にして取り上げた。刀は武士にとっては魂だったから難しい取り組みだったと思うよ。アメリカも開拓者魂と銃が繋がってるから少し似てるかもね。」

個人的な予想だけれど
アメリカで銃が違法になれば、世界中で戦争は減ると思ってる。
アメリカが最も世界中の戦争に関わっている。
「正義」「平和」の名の下に。
過剰な自衛の裏には政治的、商業的利益が絡む。
しかし、実際に事を起こすには民衆の同意が必要だ。
アメリカ人は海外に出ない人ももの凄く多い。
実際に海外を見ない人に戦争を同意させるには恐れを植え付ける事が一番手っ取り早い。
銃社会がその下地になってしまう。
身の回りに危険を感じ、自衛の為に銃を持つ事で、「やられる前にやる」、「やられたらやり返す」精神が培われて行く。
それが国の方針を考える時にも強い影響を与える。

パールハーバー、9.11、民意が一気に戦争に向いて行った。
気づけばいとも簡単に無数の戦争に関わっている。

もしもアメリカで銃が違法になれば、全体の自衛や国防の意識が根本的に変わり、軍事力も少しは削減する事になり、軍の出動の機会も減るだろう。

マイク「お、バスが着たよ。」

バスに乗るとフードをかぶった顔に入れ墨のある黒人男性と隣になる。
静かに話しかけてくる。
「What’s up.」
「What’s up.」
「日本人か・・・」
「サムライって言葉、なんか本来の意味があったよな。忘れちまった・・・」
「これからどこへ行くんだ・・・」
見た目はかなりいかついけれど、静かに色々聞いてくる。
なんだか可愛らしい。
ローカルバスは古くて雰囲気はさびれているけれど、みんな気さくに話しかけてくれて、優しい。
今までの経験でも、治安が悪い所に優しい人が多かった。

マイクに助けられてなんとか空港に到着。
1ドル50セント。
車で40分の道のり。タクシーだったらどれほどになっていた事か。
本当に助かった。
有り難い。

空港で夜を明かして、無事にボストン到着。

マイク「俺は人にしてもらいたい事をするようにしてるんだ。」

日本に帰ったらより一層海外から来た方を出来る限り助けよう。
いつも助けられてそう心に誓う。

国や民族や宗教や色々な事がある
色々あることも直視して理解しながら
全部それぞれの器に飲み込んで
許し合って、勇気を出して
皆で仲良くやりましょう。

ありがとうございました。

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