ダハブ エジプト 自然について

海 美と生命

ダハブ

生命は海から生じたという
桁外れの生命の密度
水中にはプランクトンが漂い、魚達が舞う
岩肌は珊瑚や藻類に覆い尽くされる
海の中で生命を視界に入れない事など出来はしない
認識出来ないとしてもそこは命で溢れている

海中の食物連鎖の速度は目まぐるしく
それゆえにあらゆる物が洗練されて無駄がない
生命の循環の機能から外れれば、一瞬にして淘汰される
だからこそ、この世界の法則に寄り添った物だけが生き残る
真理や合理性を元に研ぎ澄まされたものは美しくならざるを得ない
本物の理と通じた物に、人は圧倒的な美を感じる
人の感じる美は、本能と理性が混じり合った感情の芸術
海の中は、そんな美しい命で溢れている

人は最も深い海溝の底に辿り着いたけれど
その世界の事をほとんど知らない

水中では火がつかず、食料も保存出来ない
思考で産み出す科学技術も、富と言う概念も海の生物には生じない
そんな回りくどい方法で生き残れるほど甘い世界じゃない
ただ、その瞬間に必要な物が手に入るかどうかだけ
その瞬間に生きる力がありながら、運に恵まれた物だけがその瞬間を生き残る
余計な思考はせず、感覚を研ぎ澄まし、今を生きる生命の姿がある
死に悲しみは無く、生に後悔はない
世界そのものと一体になって
流れの中で現象として、生じて消はえて行く

広大な青い聖域
海に出れば、水中に入れば
誰もがその圧倒的な力を感じずにはいられない
巨大な一つの生命

これに人類が害を与えすぎれば
必ず返答を受ける事になる
良い悪いじゃない
どちらが偉大かじゃない
人が体調を崩せば熱が出て病原体が死滅するように
この海、この星の一部である人間がこの循環から外れすぎれば
この海、この星という巨大な生命体から不要と除外される
もしこの巨大な生命体の機能を殺せば、宿主を失ったガン細胞は死滅する

正常な細胞として、この機能の一部として進化を繰り返しながら生きるか
ガン細胞として宿主もろとも命を終えるか

圧倒的な美と合理性
生きると言う事
海はそんな物の根源を見せつけてくれる

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エジプト、ダハブの海で潜ってきました。

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ダハブ
世界で最も美しい海の一つと言われる紅海
砂漠に囲まれて、流入する川も少ない為に汚染を受けない生命の宝庫
海から上がれば一面不毛の砂漠
人のいる所はゴミが散乱する
このギャップに考えさせられることは多い

そして思考とは別に
ただ感じさせられる
「懐かしい」
「美しい」
「こわい」
「温かい」
「守りたい」

無数に重なる様々な現実
その中で確かに存在する現実の一つ
命を産み出し、支え続けるもの
どんなに海からはなれても
どれほど日常生活から命の循環が遠くに感じようと
誰も目を逸らすべきではないのだろう
もし、この繋がりが無くなれば
我々は生命でも人でもない者になる
命があるなら、この美を愛する存在でありたい

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