旅について

バスの学び

グアテマラ

『バスの学び』

旅をしているとよく長距離バスに乗る。安いし、しかも夜行だと一日分の宿代が浮く。
時に乗車時間が30時間に及ぶ事もある。

子供の頃は五時間のドライブも物凄く長く感じたものだけれど、今はこの長距離バスが全く苦痛に感じない。単純に「慣れた」というのもそうだし、覚悟して乗っているというのもある。さすがに子供の頃とは違う。
しかし、長距離バスを苦痛に感じない、むしろ楽しみですらある理由がある。
それは単純に楽しいから。
まず、隣に面白い人が乗ってくる可能性がある。地元の人でも旅人でも、新しい価値観に触れられる。
国を跨ぐ時などは地図上の位置を想像しながら流れる景色を眺めると、長年持っていたその土地のイメージを覆される事が殆ど。楽しい発見がある。

そして一番の醍醐味は、新しい土地へ向かう移動時間はいつも一番いいアイディアが浮かんでくる。ジャンルを問わず、次々に創造的なアイディアが浮かんでくる。多分新しい場所への期待にワクワクするのと、行った事の無い土地がどんな所なのかと想像する時に、自然と過去の記憶と想像力を総動員して次々にイメージを構築しようとするからだろう。
そんな状態では過去の情報と、未来の可能性と、想像の世界とを繋げる回路が自然と活性化して、様々な出来事や因果関係や何かをする方法が多次元的に同時に繋がり易いのだろう。

あるいは、一切何も考えない事に挑戦するのもいい。
簡単ではないけれど、それもこの上なく有意義な時間になる。

これらの内のどれも出来ないほどに疲れていれば、眠るのが何よりの楽しみになる。

そんな訳で、体を動かさない時間が常にとても楽しい物になるし、多くの学びがそこに有る。
目的地に着いてから過ごす時間と同じくらい素晴らしい時間になる。

バスでの旅もいい物だ。

写真
グアテマラ ケツアルテナンゴ チキンバス

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