アリゾナの生活約一ヶ月。
その生活風景を少し紹介します。

まず、砂漠にあるこのファームが街と違うのは水道がない事。
飲み水は車で湧き水を汲みに行き、その他の水は雨水を利用する。
しかしどちらにしても大量の水が手に入る訳ではない。そこで節水。

まず当然風呂なんて物はないがここにはシャワーすらない。
髪を洗う時は大きいバケツに溜めた雨水を洗面器に入れてそこに頭を突っ込んで洗う、タオルをその水に浸けて体を拭いて残った水で体を流す。
それがこれ。

砂埃が入って水が濁っているが気にしない。
虫が入っているが気にしない。
もちろん街に住んでいる時は毎日シャワーを浴びるが、正直言ってここでは一週間に一回くらいしかこれをしていない。
それくらい水は貴重な物だ。

洗濯も雨水で行う。
体も服も乾燥と熱で一気に乾く。

食器洗いは二つのバケツに溜めた水を使う。

洗剤などは一切使わない。
ピンクの方で固まった汚れを落とし、白い方でサッと濯ぐだけ。
この水もどんどん濁ってくるが一週間近く変えずに同じ水を使う。

ここホピの国では化学的な物を使う事は母なる大地を傷つけるという考え方が一般的。もちろん多少なりとも使う事はあるが、その考え方は心の奥に浸透している。

実際にここで生活して感じる事。
水を始めとして勝手の違う事がたくさんある。日本でここまでの節水をする事はイメージする事すら難しい。しかし、必要だからそうする。ここでは水の量が目に見えて限られていて、それ以外に選択肢がないから、ストレスも不自由も特に感じずに極端な節水を普通に行う事が出来る。
電気は太陽電池でまかなわれ、照明器具は手に持てるサイズのライトだけ。
とれる食料はトウモロコシなどの限られた穀物だけ。野菜などを買いにも行くがたいした量ではない。
しかしそれも気にはならない。
厳しい環境で育ってくれたトウモロコシ、命をつなぐ為に与えられた物に日々感謝して頂く事が出来る。

それと同時に、日本がどれだけ豊かかという事を痛感する。
水は豊富で好きなだけ使える。
四季が有り、あらゆる種類の野菜や果実、きのこ、肉類が手に入る。
四方を海で囲まれており、魚介類にも恵まれ、塩も不足しない。
発酵食品にも適していて、多種多様な調味料や食材を創り出せる。
その豊かな環境で培われた深い食文化がある。

この砂漠で自給自足している人から見れば、日本で自給自足する事は地上の楽園に住むようなものだろう。

ここにはここの生き方、日本には日本の生き方がある。
日本で極端な節水をする必要は感じない。
しかし感謝は忘れたくない。
そしてもしも本当に必要ならば電気だろうと水だろうと食料だろうと日々の消費を減らす事を躊躇する必要はない。「可能」な事に疑いの余地はないのだから。
くり返しになるが、豊かな生活に浸かり切って本当に大切な事や感謝の気持ちを無くすことがないように生きて行きたい。