北海道

【利尻の奇跡】日本縦断2日目、3日目

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大雲さんの勧めで、利尻山に登ろうと、利尻島に向かう。
しかし、利尻島に到着すると、すでに12時。
登山には10時間かかるからと、
9時前に着く計画で来たにも関わらずこの時間。

利尻ではなく礼文島に間違えて行き、
そこから急いで利尻島行きの船に乗り込んだものの、
利尻の中の着く港を間違えてさらにバスで移動。

あまりの間抜けさに、
自分に腹立たしさを覚えながら、フェリーターミナルに向かう。
するとどこかから声をかけられる。
「けんとさん!」
振り返ると、昔何度か行った札幌の飲み屋で働いていたカナさん。
「こんなところで会うとは!奇遇ですね!」
「ね!今ここのレストランで働いてるの!」

驚きながら挨拶を交わし、ターミナル内のインフォメーションセンターへ。
カウンターのお姉さんに話しかけると、驚いた顔で、
「あれ!中南米旅してませんでした?」

「え、してました!」

「私たち夫婦で旅してる時に会ってます!」

徐々に記憶が蘇ってくる。
「すごい!こんなところで再会するとは!」

「今日は利尻観光ですか?」

「山に登ろうと思ってたんだけど、フェリーを間違えてしまって時間が足りないからどうしようかと思って、とりあえずインフォメーションセンターに来たんです。」

「え!よかったら家に泊まって行きますか?夫にも言っときます!」

「え!本当ですか?それは嬉しいなぁ!じゃあちょっと山へ行ってきます!」

こんな短時間で二人も知り合いに会うなんて。
不思議だ。利尻島!

登山口に、たどり着いたのは1時前。
本当に10時間かかるとしたら、下山は夜11時。
全く話にならない。

いけるか?
雪駄と浴衣で。
とりあえず行ってみよう!
ペースが間に合わないようなら諦めるしかない。

歩き始めると、
事前に聞いていた半分くらいの時間で
4合目、
5合目、
6合目、
7合目、
と過ぎてゆく。

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すれ違うたびに、いろいろな声をかけられる。
「そんな格好で行くのかい?」
「行けるところまで行ってみます」

ヒマラヤ5000mに行ってみて、自分の体力の限界はどの程度かはある程度わかってる。
時間さえ間に合えばいけるはず。

途中まで霧に覆われていた視界が、一気に晴れて、利尻山が姿を表す。
あと一息。
山で疲れてきた時こそ、植物に感謝する。
新鮮な空気、涼しさ、美しさ、色々な方法で励まされる。
あたり一面の植物に「ありがとう」と伝えていると、
疲れも忘れていつの間にか進んでいる。

8合目、
9合目、

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美しい花と、雲海の眺め。

すれ違う人の驚きから、「心配」がなくなってくる。
「それでここまで来たのか!」
「修行中ですか?」
「仙人みたい」
「天狗みたい」

山頂付近の急斜面。
細心の注意を払って進む。

そして、ついに山頂へ!

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諦めなくてよかった!
天は、島を間違うバカさの代わりに、
体力を授けてくれたのかもしれない。笑

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浴衣と雪駄でもこれくらいはいける!!
是非、着物を着てください!!

これは本音ですが、
安全のため、どうか着物で「登山」は安易に真似はしないでください。笑
(自分は毎日この格好で、ヒマラヤも5000mまで試してます)

日本縦断の序盤、
日本に数ある富士と呼ばれる山の中でも最北の山。
ここからまた歩き始められることは感慨深い。

夜、ガテマラ以来のジュンさん、ともさん夫妻の家にお邪魔する。
なんだか、あの頃の空気を思い出す。
旅人との時間。

ジュンさん「男の子は特に、旅の理由を聞いてくるけど、私にはそんなものなかったなぁ」

自分も、旅には色々な理由がある。
けれど、同時に、からなず理由のない理由がある。
「行きたいから」
理由のない、最大、最強の理由。

食べる時に、子供は理由を考えない。
生存、栄養、、、、、考えることはできる。
しかし、
美味しいから、楽しいから。
食べたいから!
これが最強。

人生、
なぜ生きるか。
生きたいから!

旅、
なぜ旅するのか、
行きたいから!

それが、情熱も輝きも引き出してくれる。

ホッとする時間。
そして、
改めて、そばにいる人の笑顔を大切にしたいと思った。

全ての出会いに感謝が尽きない。
ありがとう!!

-北海道