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インド到着。
都市部の安宿は話に聞いていたように牢屋を連想させるようなコンクリートの箱に固いベッド。嫌いじゃない。一泊約400円。

当たり前にゴミを捨てられた路地に座り、屋台で食事。清潔とは言えないが味はいい。一皿約50円。

チャイは小さな焼き物で飲んで、飲み終わったら地面に投げつけて割る。それが常識。彼らの流儀。その場で出来たインド人の友達ほどいい音で割れない。物を道端に捨てる事、まだ使える物をあえて壊す事にはやはり抵抗がある。しかし、こうしてまた土に帰って循環していく。小さなお菓子は大きな葉で作った皿に入れてくれる。
しかし、プラスチック製の物のポイ捨てはやはり他の地域同様、心が痛む。
チャイ一杯約14円。お菓子一つ約10円。

その友達と街を歩き回り、色々な話をする。
色々な所を案内してくれたり、生活の話をしてくれたり。
「インドでは気をつけろ。」
「人を信用するな。ついて行くな。」
何度言われたか分らない。
当たり前だ。きっと自分も初めてインドに行く人がいればそう言うだろう。
街を歩いていると常に誰かが話しかけてくる。
「どこから来たの?」
「どこに行くの?」
「どこ出身?」
「なんか買わないか?」
「お金を恵んでくれないか?」
「マリファナほしくないか?」
ただ会話がしたいだけ、友達になりたいだけのフリをしてよってくる人。
ストレートに要求をぶつけてくる人。
ただ、最終的にお金を求めているのかどうかは、大体目を見ればわかる。
それでも、大悪党なら最初に与えて、さんざん信用させて大きく盗って行くだろう。
しかし、騙そうとしてくる人も、ただ話しをしたい人も、どちらもここでは「生身」を感じる。
「目的」、「欲求」を通そうとする「我」が全身からほとばしっている。
こういう人間に囲まれるのは面白い。
受け流すにしても、向き合うにしても、自分も完全に脱力して自然体でいられる。

その辺の男がまた話しかけてくる。
他愛ない質問。普通の明るい若者の会話。
しかし、マリファナを売りたいだけだと顔に書いてある。
案の定切り出してくる。
布石としてのお決まりの会話には飽き飽きしてたから、そう言う本音を出してくれた方がまだいい。
男「お前は吸ったりするのか。」
自分「吸わないよ。」
男「つまらないな。人生楽しめよ。」
自分「吸わなくても十分楽しいよ。」
男「なんだよ。退屈な人生だな!カラフルに行こうぜ!」
自分「十分カラフルだよ。楽しんでる。」
男「お前のは全然カラフルじゃねぇよ!」
自分「ははは!俺の何を知ってるんだ?じゃあカラフルな人生ってどんなだ?」
男「マリファナ吸って、酒飲んで、女と遊んでだよ。楽しもうぜ!」
自分「ははは!それだけか!カラフルにしては色が少なくないか?」
男「それから、、、、これでいいんだよ!」
自分「俺はもっといい色をたくさん知ってるよ。」
男「じゃあお前は女に興味が無いのか?ゲイかよ。」
自分「女に興味はあるよ。」
男「ははは!ほら見ろ!お前の人生だってカラフルじゃねぇか!」
自分「ははは!なに言ってるんだよ。最初からそう言ってるだろ。どっちでもいいけど。」
男「あれ?ははは!いいんだよ!ちょっと飲みに言ってくる。明日は休みなんだよ。楽しめよ。」
わるい奴じゃ無い。

夜行列車は蒸し暑くて狭いけれど、なんだか無性に落ち着く。
二段ベッドの上。一畳弱のスペースに荷物と一緒に丸くなって眠る。
人々は赤ん坊をあやしたり、カップルが膝枕で寝てたり、物売りや物乞いが回ってきたり。
ゆっくり寝て、本を読んで、人と話して約10時間。約700円。

乗り合いのトゥクトゥクで駅からバラナシの街へ。
ガンジス川のほとり。
シヴァ神の聖地。
せまいトゥクトゥクに7人乗り。子どもが膝に乗ってくる。
通りかかるバイクは4人乗りもいる。
無秩序に人々がただ、思い思いの方法で「移動」している。
道には牛が横たわり、その度に車の流れが淀む。
クラクションが鳴り止まない街で、聖なる生き物に誰も文句を言わない。

聖なるガンジス川に死者を流し
排水を流し
ゴミが浮かぶ
濁った聖なる川で、人々は体を清める。

この土地は嫌いじゃない。
懐かしさを感じる。
心が落ち着く。
人は生存に直接向き合って生きる。
露骨な真理がそこら中に転がっている。
これからしばらくこの土地にいさせてもらう。

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