日本を出て現在約五年。
以前、たまに日本に帰ると毎回必ず下痢をしていた。
薬も効かない。
滅多に行かない病院にも行った。
「ストレスです。」そんな訳はない。
数年後に食ではないかとふと思い立ち、食べ物に気をつけるようになって以来下痢をしなくなった。
今回約一ヶ月の日本滞在で、下痢をする事はなかった。
しかし、日本を出る直前、口の中が口内炎で覆われていた。
しっかり食べていたし、栄養不足では絶対にない。
コンビニでも一度も食品を買ってはいない。
口内炎はエジプトに到着して二日で嘘のように消えてしまった。
コンビニは言うまでもなく、外食産業の出す食事の危険性についても以前から叫ばれて来た。
日本にいた頃は、「大袈裟な。」と侮っていた。
しかし、各国と日本を行き来する数年の中で、やはり日本の食に違和感を禁じ得ない。
日本に来る度に食に関わる体調不良を経験する。
これは偶然とは思えない。
世界でも最も健康的と言われる日本食。
最近「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録される事も決定した。
調味料の一つ一つまで手間ひまをかけ、工夫を凝らし、味も見た目も洗練された素晴らしいものだ。
四季折々の物を、バランスよく取り入れる。
豊富な発酵食品。
どういう訳か、伝統的な食べ合わせが、栄養の面から非常に合理的な物ばかり。
資本主義社会も貨幣経済も普遍的な常識ではない。
漠然と最善の物と言う訳でもない。
近代的な経済、社会の仕組みによって、大量生産、大量消費がすすみ、食事の質も魂も失われて行く。
季節に合ったものと言う概念は薄れ、農薬、遺伝子組み換えに脅かされ、添加物から逃れることは難しく、調理法は利益のみに囚われて本来の意味を失って行く。
利益が出れば何でもありというのが正統派と呼ばれるべきなのか。
美しい食の文化も、家族での「食卓」という団欒、学びの時間までが消えて行く。
価値観は人それぞれ。
時代の移り変わりも当然の事。
しかし今、絶対におろそかにしてはならない事が在る。
『どうせ変化する時代をどんな変化にしたいのか。』
『人や時代、空気を度外視した、自分自身にとっての幸せとはどんなものなのか。』
それを一人一人が考える事。
時代の川に流されるだけが能じゃない。
ほんの少しなら泳ぐ事だって出来る。
多くの人が同じ方向に泳げば、そこに新たな流れが生まれる。
今一度、一人一人が真剣に考えるべき時にきている。
合理的で美しい物に囲まれた日本の文化が大好きだ。
日々、美しいものを愛でながら、この上なく健やかに生きられる方法を我々の文化は知っている。
叶うなら、今一度、美しい食文化を日本の皆さんと守って行きたい。
誰が行う事でも、誰の責任でもない。
ただ我々一人一人の生き方にかかっている。
・参考リンク
ストップ食品添加物(特に注意したい食品添加物が表になっていてわかりやすいです。)
風評に惑わされるな!「食品添加物は危険」のウソ
※この問題は、0か100かじゃない。全てが部分的真実。社会の変化の前段階では各人で冷静にバランスを。
知らぬは客ばかりなり 外食産業はこんな風に作ってます(写真の表の説明があります。)
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