川内原発・命の一線

今回の熊本地震で注目された川内原発。
停止しないことが政府から発表された。

「止めるべき」か、「止めないべき」か。
どちらの意見にも理由はある。

【止めないべき理由】
・事前に決めていた基準に達していないから
あらかじめ決定していた基準に即して行動しなければ、他のあらゆる物事に関して例外を認めることになりかねない。決断の早さを維持して事態に迅速に対応出来る体制を維持するためにも決まりに即して動く。
川内原発の原子炉を運転中に自動停止させる設定値は80~260ガルであり、620ガルの地震動を受けたとしても、安全上重要な機能は確保されることを確認しているという。
今回、熊本地震で観測された川内原発での最大値は12.6ガルと発表されている。
12ガル=震度3前後
80~260ガル=震度5前後
620ガル=震度7前後

・日本で唯一稼働している川内原発
日本で現在唯一稼働している川内原発を停止すれば、原発を活用する流れそのものを断ち切ってしまうきっかけになりかねない。

・京都議定書とCO2排出量
京都議定書でCO2削減のための遵守事項を決定し、第1約束期間は目標を達成できる見込みではあるが、原発をこのまま用いずに火力発電に頼れば、第2約束期間に向けての目標達成はより困難になる。
もし目標を達成できなければ、日本は議長国であったこともあり著しく国際社会での信用を失うことになる。これは外交や、貿易に響いてくる。

・エネルギー自給率
日本は原発を用いなければエネルギー自給率は約5%となる。
太平洋戦争に突入した大きな理由の一つがエネルギー自給率が低いままにそれを遮断されるという危機的事態である。
原発に使われる核燃料ウランも海外から輸入しているが、輸入先が偏らない上に、一度取り替えれば一年以上発電でき、国内のものを使えば2年以上発電を続けられる。そのため準国産エネルギーと位置付けられている。

・電気料金
原発を止めて火力発電に頼れば燃料費は上がり、電気料金が上がる。

・外交
電気料金が上がればものづくりにかかるコストは上がり、輸出が困難になり、日本経済が悪化する恐れがある。

・生活の維持
電力会社の大株主には、地方自治体や、日本を代表する大企業が名を連ねている。
もしも電力会社の株価が暴落すれば自治体も大企業も立ち行かなくなり、地域の人々の生活の安定が脅かされ、同時に大企業に関わる中小企業も打撃を受けて、それも雇用や給与、社会システムなどの様々な面で国民の生活に影響を与えるというリスクがある。
そして、それはまた外交にも影響を与え、何重にも日本経済に打撃を与える。

・国防
原発を取りやめて、エネルギー自給率を下げて、その上エネルギーに余裕がなくなり経済的にも苦しくなれば、国防力も低下する。
この情勢が著しく変化するタイミングで、エネルギー補給路に不安がある上に、エネルギー量、資金力でも不安を抱えれば国防は苦しくなる。
また、核爆弾を持たなくても、その気になれば作れる状態を演出することは抑止力につながる。

【止めるべき理由】
・日本全土を汚染するリスク
川内原発で事故が起これば、偏西風に乗って日本全土を放射能汚染してしまう可能性がある。桜島が1779年に大噴火した安永大噴火では、火山灰は江戸の街にも降った。1914年の大正大噴火のとき火山灰は東北地方にも降った。
その上、海流に乗って日本海をも汚染してしまう恐れがある。
そうなれば、「日本人という民族」は被爆しながら土地を失う上に、世界中からの信用を失い、最悪の場合、他国に避難したとしても恨まれ差別を受け続けることになる可能性すらある。
それ以上に地球上の生命や人類自体の未来を奪いかねない。

・自然災害だけで計算できないリスク
原子力規制委員会は「放射性物質セシウム137が大気中に100万テラベクレル(福島事故の8分の1程度)漏洩する重大事故の確率を、100万炉年に1の割合にする」という、確率の規制目標を立てている。しかし、その計算の前提自体がデザイン困難であり、あくまで目標となっている。
地震や津波などの自然災害だけでも計算しきれなかったがゆえに起こった福島での事故だった上に、ヒューマンエラー、原発を狙った攻撃やテロ行為の可能性なども考慮に入れれば「十分に安全」という根拠としてはあまりにも頼りない。起こるまでは誰にも予想しきれない。そして起こってからでは遅すぎる。

・正常な視点でリスク管理できる仕組みになっていない
電力会社の大株主に地方自治体や、日本を代表する大企業が名を連ねており、電力会社株が暴落すれば日本の経済、自治体の安定を揺るがすことになるため、政府が株価暴落を避けるために援助をする。
そうなれば株主は、利益を得るために国民の意見を気にして信用を得て安全面でのリスクを避けて支持を得て企業として利益を上げるという必要がなくなる。その上、様々な面での癒着も指摘されている。株式会社としても、国家としてもブレーキシステムが正常に機能しておらず、誰も責任を取れない状態になっている。リスクを管理して決断をすることが難しい仕組みになっている。

ー最悪のシナリオを考えればどちらも変わらないー

【原発を止めない場合の最悪のシナリオ】
事故、または攻撃などで日本全国、海を汚染してしまう。
日本人は被爆し、土地を失い、信用を失い、生存困難な状況に追い込まれる。
汚染されていない土地や食料が減り、世界中に不安と不足が広がり、争いの引き金になる。
世界規模での混乱が起きて、人類、生命が危機に陥れられる。

【原発を止めた場合の最悪のシナリオ】
電気料金が上がり、商品の値段が高騰し、輸出が減る。
電力会社の株価が下がり、貿易不振も相まって日本経済が悪化する。
国力が下がり、海外資本が参入し、水源や土地をさらに失い、国防も困難になり、日本人が国土を失い、日本人が主権を失った状態で結局この土地も汚染され、世界中が不安定になってゆく。

【この両方を同時に解決出来る可能性があるシナリオ】
・革命的な新エネルギーの開発、平和的な実用化に成功する。
・国際情勢が安定し、武力による支配構造が終わる。

ー個人的意見ー

『日本で原発を止めるかどうか』
これは決して、「電力が足りるか」という単純な問題ではないと思います。
経済、貿易、国防、日本の存続、そういったことにもつながる問題です。
上記に挙げたポイント以外にも、さらに無数の視点があるでしょう。
絶対的な答えを誰にも出せない問題でもあります。
日本人や世界中の人々が、自分の命を超えた本質と向き合わされている究極の問いの一つだと思います。

止めても、止めなくても、最悪のシナリオを考えればどちらも大差がない悲劇です。
逆に、最善のシナリオを考えればどちらの道でもいい未来を迎えられる可能性はあります。
しかし、そのために最も重要なことは、「国民で一丸となって取り組む事」だと思います。
止めても、止めなくても、最善のシナリオを実現する事は並大抵の事ではありません。国民同士で争って、お互いの方向での最善のシナリオの実現の足を引っ張り合えばどちらにしても望まない未来を迎える事になりかねません。
だから、どちらの道へ行くにしても一丸になって取り組むという事は最も大切な事です。

しかし、「国民が一丸となる」事自体にも危険性は含まれています。
多様性が失われ、一方向に向かう力にブレーキが効きにくくなるという点です。
この力が破壊的な方向に向かえば悲劇を招きます。
どの道を行くか。何重もの意味で非常に難しい問題です。
いつの間にか、日本人だけでなく、人類全体が存続のための綱渡りのように細い道に追い込まれています。

この状況で、現在の自分が望む道は、
「原発を止めながら、「新エネルギー開発」「国際平和への貢献」に国民が一丸となって全力で取り組むことに賭ける。」
ということです。

稼働を止める決断を下すことが難しい理由はたくさんあると思います。
自分の利益、家族や、職員を守る為もあるでしょう。
日本の経済、ひいては国土、国民を守るためと苦悩している方もいるでしょう。
しかし、先祖代々住ませていただいたこの土地の、自然、生命、水、空気を取り返しのつかない状態にしてしまうリスクを避けることは、人間のルールや権利を超えて守らねばならない「命の一線」なのではないでしょうか。
未来の子供達、それが日本人であろうと、異国の人々であろうと、種を異にする生命であろうと、我々が彼らから美しく豊かな土地を奪い去ることは、他の誰でもない自分が自分を許すべきではないのではないでしょうか。
仮に原発を使い続けて、万が一のことが起これば、我々自身の手で国民を殺し、地球環境を破壊し、世界中の人々に悪影響を与えてしまう事になります。
それは自らの死を超える悲劇なのではないでしょうか。

最後に、現在の自分の意見を述べさせていただきましたが、
他の意見を否定する意図はありません。
これからも、生涯学び続け、子供たちにより良い未来を渡すために何ができるのか、模索し続けます。
そのためにも多様な意見や考えを聞かせていただける事は幸せです。

皆さんと共に、一人一人が自分ごとと知って向き合えるように願っています。
長文を読んでくださってありがとうございます。

ー参考サイトー
・川内原発と偏西風

・川内原発、停止の必要なし−リスク認識の誤り

・川内原発「停止させる必要ないと判断」 丸川環境相

・教育資料としての震度・マグニチュード・ガル・カインに関する説明

・内原発は継続稼働、地震の影響12.6ガルで停止基準260ガルを下回る

・東京電力ホールディングス 株式等の情報

・大株主の上位100社で東電に賛成票を提出しているのは僅か37社

・東電の株主はなぜ原発をやめないのか

・安倍晋三が「原発を簡単にやめられない」本当の理由!原発利権 NAVERまとめ

・京都議定書 削減目標を達成できなかったら・・・

・京都議定書第一約束期間終了

・経済産業省 京都議定書第一約束期間の削減目標の達成が確定しました

・2014 年度(平成 26 年度)の温室効果ガス排出量

・関西電力 エネルギー事情、エネルギー自給率

・文部科学省 核融合について

・新エネルギーが原発を不要にする

 ・スイスの原発問題と新エネルギー

・「核兵器禁止」日本は賛同せず 被爆国なのにどうして?【NPT再検討会議】

・オバマ政権の核兵器廃絶への第1歩を妨害する日本政府

・ハルノート wikipedia

・ABCD包囲網 wikipedia

 

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ここ数日、熊本地震と川内原発について考え抜きました。
今まで、自分は原発について賛成か反対かを言っていませんでした。
誤解やそこから生まれる分離が、日本の未来のための最大の壁だと思うからです。
しかし、今回は初めて自分の意見をお伝えしたいと思い、書きました。

賛成、反対、どちらの意見も、
一理あり、大切で、知るべきだと思い、
できる限り両方の視点と、参考情報を詰め込んであります。

読んでいただければ嬉しいです。
そして、もしも共感をいただければ、多くの方に読んでいただけるようにご協力をお願いします。

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今回の地震を目の当たりにして、
「考え抜いて、お伝えする」という事が微力な自分にできる事の一つでした。
様々な意見が飛び交う中、少しでも多くの方に多くの視点を持っていただき、
一人一人が自分ごととして捉える一助になれば。
対立せずに冷静に話し合える環境が増えるお力になれればとの願いです。

ここ数日、現地の皆さんのために何ができるかという事も同時に考えてきました。
明日以降、支援のために今の自分にできる事をさせていただきます!

いつもありがとうございます!