メテオラ

メテオラ。
昔から俗世を離れて祈りや瞑想を行う人々が入り込んだ壮大な岩々。
時代が流れるに従って岩の上に修道院が建築された。
当初は階段も橋も無く、ロープで上り下りをしていたという。
その眺めはまさに圧巻。
世界有数の自然の神秘と人々の情熱を同時に感じられる場所。

道も知らずに歩き始める。
麓から7キロの上り坂らしいけれど、どの道か分らない。
まずは人に聞かずに適当に上の方へ。

辿り着いたのは獣道、多分正しい道じゃない。
けどまぁ行ってみよう。
頂上に到着。
左右は両側をロッククライミングのように進んでも抜け道は無い。
正面は断崖絶壁。
さんざん登って盛大な行き止まり。
しかし、美しい風景が見られたからむしろ幸運だった。
道を知っていたらここに辿り着く事は絶対にない。

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(戻ろう。迷うのも今日は十分だ。)
下山しておばちゃんに聞くと簡単に辿り着いた。
寄り道しながらゆっくり歩いて約2時間。
岩が競り上がり、その頂上に寺院がある。
圧巻。

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中でも特に重要なメテオラという寺院を尋ねる。
入ってみると受付の人に尋ねられる。
「どこから着たんだい?」
「日本ですよ。」
「そうか。。入場料は要らないから入って!」
「え、皆払ってるのに。」
「いいからいいから!」
「ありがとう。」

寺院からの眺めもすごいが、中の装飾や建築も素晴らしい。
一番美しい部屋は写真が禁止だったけれど、絵画や彫刻からこの土地の歴史が読み取れる。
キリスト教以前から修行者が訪れていたらしい。
宗教関係で多くの命もここで失われた。
大戦の戦火も及んでいたようだ。

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外に出て寝床を探して草むらに分け入る。
すると最高の場所があった。
岩の上、片方にメテオラの寺院、片方に競り立つ岩々が見える。
そして夕焼け。
完璧だ。
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少し瞑想をして横になる。

岩の上。風が通る。
夜は流石に少し寒い。
横になって、天の川、星々、そして無数の流れ星を眺める。
思えばここが現代の人々が知っている星座の神話が生まれた土地だ。
今まで何度も星を見上げたが、今日は特に感慨深い。

こうして大自然に身を投げ出して一人きりになった時。
いつも一番いい考えが降ってくる。
インディアンはビジョンクエストと読んで大切にしているけれど、本当に物凄く合理的な事だと思う。
一人でただ星や自然と対話していると、純粋な自分自身以外の何者も現れない。
そうなるとアイディアが無数に降ってくる。
これからやるべき事、伝えたい事、物の見方、今回も多くの物を戴いた。

野宿に慣れる事は
人生の苦しみに慣れる事にも似ている
いい寝床が見つからなくても
寒くて眠れなくても
雨が降っても
動物達が現れて不安になっても
夜が長く感じても
夜は嫌でも明ける
夜が明ければ疲れも癒えている
気温も上がり、危険な物も減る
美しい物達が顔を出す
不思議な事だがそうなっている

外で過ごす夜の長さを実感で知らなければ
問題があった時に妙に不安になったり、苦しく感じたりするものだ
夜が終わるタイミングを感覚で知っていれば危険に冷静に対処しながらストレス無く耐えられる。

苦しみも
様々な形で「絶望」という危険が近づいてくる。
しかしそれに冷静に対処すれば苦しみの夜は明ける。
終わりがある事を感覚で確信していれば冷静さを保って危険に対処する助けになる。
もし絶望が自分のa目を塞ぐ事を許せば、夜が明けても暗いまま。
世界が明るくても気付かずに、恐怖は離れない。

どちらも終わりがあり
それを感覚で知る事が大きな助けになる。
変化しない事など、どの道存在しない。
逃れられない事ならポジティブに捉えるのが一番いい。

夜明け前、物音がして目を覚ます。
目の前で動物が吠えている。
子犬だ。二匹。
気にせず寝る。
距離を置いて何時間もひたすら吠え続けている。
ここに別の生き物が居る事が相当気に入らないらしい。

日の出前に起きて荷物をまとめる。
子犬達に話しかけると徐々に近寄ってくる。
何時間も吠えてたくせに二匹とも膝に乗って猛烈にじゃれてくる。
撫でるとすぐに膝の上で眠ってしまった。
もう少しここに座っていよう。
仲良しの二匹で孤独ではないけどまだ子供。だれかに甘えたかったんだろう。
自然の中で知らない物は危険かもしれないけれど、本当は友達が欲しい。
寒い夜に警戒し続けて疲れてしまったんだろう。
なんだか妙に愛おしい。
様々な感情が込み上げる。

子犬達に激しく邪魔されながら、インディアンのパイプでタバコを吸う。
ある部族のチーフにもらった大切なパイプ。
普段喫煙はしないけれど、このパイプは月に一度ほど使う。
世界中で吸う事で、気持ちが繋がる。

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また寄り道しながら下山。
子犬達はずっと着いて来たけれど、自分が人間のいる地域に入るとそこで留まった。
二匹並んで座ってる。
ただ無邪気な目をしている。

動物が動物を好くのに理屈は要らないんだろう。
人間は時に考えすぎて分らなくなってしまう。
二匹は本当に仲がいい。
この二匹にはずっとこうあってほしい。

この二匹の写真はたくさん載せることにしよう。
どうもありがとう。
なんだかすごく懐かしい気持ちになった。

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バスでトルコへ向かう。
ついにヨーロッパともお別れだ。

〔この時に考えをまとめた「現代の大和魂と世界の夢」という文章もすぐにまとめてここに載せようと思います。寝っ転がりながらはやく残したいと思っていたので、読んで頂けると嬉しいです。〕