スペイン・グラナダ
歴史上、ローマ帝国、西ゴート王国、ムスリム、スペインと主を変えて来た。
中でも1492年にレコンキスタで滅ぼされるまで続いたムスリムの文化が華やかに残っている。
ここは当時、国際的な大都市でヨーロッパで最も早く大学が出来た土地の一つ。
キリスト教国になるまでは宗教に寛容で多民族、多文化が集まる最先端の都市だった。
この土地はスペインの中では突出して肥沃で水が豊富、作物もよくとれる。そのため物価も非常に低い。
グラナダのバスターミナルに着いて案内所で街の中心部への行き方を聞く。
「バスで行ってね。あそこのバス停から3番か30番のバスね!かなり遠いから歩いては行かないで。」
「分りました。ありがとう。」
外に出た瞬間思う。
(歩いて行こう!)
当然迷うけれど、迷うのがその街を一番良く見る事が出来る方法だと感じる。
大体の方角を聞いて、コンパスを見ながら歩けば目的地から遠ざかる事は殆どない。
曲がる度に人に道を聞いてみる。
道を教えてくれる人からも、その街の空気を感じられる。
ここでは、みんな正しい方角を丁寧に教えてくれる。
道を教えてくれたお兄さんとそのまま話しをしながら歩いていると道に人だかりが出来ている。
お兄さん「レアル・マドリッドが着てるんだよ。知らなかったのか?」
選手達が一人一人バスに乗り込む度に割れんばかりの大歓声。
昔サッカーを日常にしていた頃、とても気にしていたチームの一つ。
道端でばったり会う日が来るとは思わなかった。笑
この街に滞在中、驚くほど物凄い出会いが二つあった。
一つは、フラメンコの本場スペインで、家族で音と踊りを路上で見せながら生活する日本人天才家族。一家で洞窟に住んでいる。波瀾万丈な一家の物語が物凄かった。道端で会って一晩お邪魔させてもらった。
一つは、イスラム系の血を引くイギリス人。知らない人は殆どいないようなイギリスの大学出身で、エネルギー問題と個人プロジェクトに対する資金援助に関わる仕事をしている。あらゆる宗教や文化に理解が広く、日本の歴史や伝統文化も驚くほど知っている。道端で会ってそのまま10時間ほど日本やイスラムの文化、精神性や科学について話し込んで、これから幾つかの事を協力し合ってやろうという話になった。
この出会いについては別の機会に書こうと思う。
今回はグラナダの美しい街の雰囲気をここに残しておく。
街はイスラムとヨーロッパの文化が混じり合った独特の雰囲気。
グラナダ
歴史に翻弄されながら、その物語を街並に刻み付けて堂々と見せてくれる。
数百年を隔てる時代の風を確かに感じさせてくれる。
好きな街だ。