教育について

『自然と子ども』

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福島県の農村部で農家の方にお世話になった。
そこでは80代の方々が元気に仕事をしていた。

「60代や70代よりも俺らの代の方がよっぽど元気だ。」
「俺たちは自然の中でやりたい放題やって育って来た。」
「若い世代は学校に連れて行かれて「あれをしろ」「これをするな」と言われて育ったから自分で自分の始末のつけ方が分らない。」
「子どもたちは自然の中で放し飼いにしてやらないと大切な事が分らないんだよ。」
「俺たちの家業は食うに困らないのに、学校に行く為に金がいるって無理してわざさざ行って、手間増やして余計苦しそうで体も弱い。」
「俺たちは難しい事は分らないけど、自分の始末はつけられる。」

彼らの笑顔は力に満ちて、揺るがない物だった。
「難しい事は分らない」と言いながら、その目は語る。
己を知る思慮深い目。

そういえば、レオナルド・ダ・ヴィンチは幼少期を自然に囲まれて育ったという。
彼にとっての師は自然だったと言っていたようだ。

当然の事だ。
科学は自然界の法則の解明を目的とする。
芸術は自然界の美の模倣から始まった。
自然ほど多くを教えてくれる物はない。

以前、高層ビルで育った子どもは平均的に学力が低くなるという統計結果を目にした。
その理由も、「自然や、人々と触れる機会が極端に少ないから。」といった物だった。

大都市で自然と触れられる場所がない環境の中、「これはしちゃダメ」「これをしなさい」と自分で失敗して学ぶ前に理由も分らないまま、「すべきこと」を機械的に覚えさせられる子どもを見ると胸が痛む。
大人になっても、自分が日々行う行動の理由が分らなくなる。
何をしたいか、何をすべきか、自分で考える癖がなければいきなり決められない。
就職活動で苦しみ、社会に出ればいきなり主体性を求められる。
子どもの頃さんざん抑制されて来た能力を、大人になっていきなり強く求められる事になる。

個人的には日本の教育は悪い所ばかりではないと思う。
識字率は高い。これは日本では当たり前だが、簡単ではない重要な事だ。
世界中の人々と触れ合って日本人は知識の量が多いとはっきり感じる。

しかし、教育は安全だけが能じゃない。
生きるという事そのものが、元々リスクを負う事だ。
どうか自然の中で放し飼いにしてやる時間も与えてほしい。
失敗から学ぶ機会を与えてほしい。
自分でやりたい事を考えてやってみる機会を与えてほしい。
何より、この世界に生きる事が楽しいと痛いほど感じさせてやってほしい。

無関心で放置する事と、愛情を持って放し飼いにする事は全く違う

最後に、教育について非常に感銘を受けた言葉を引用する。
『アメリカ・インディアンの教え』より。

「批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います
ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
心が寛大な人の中で育った子はがまん強くなります
はげましを受けて育った子は自信を持ちます
ほめられる中で育った子はいつも感謝することを知ります
公明正大な中で育った子は正義心を持ちます
思いやりのある中で育った子は信仰心を持ちます
人に認めてもらえる中で育った子は自分を大事にします
仲間の愛の中で育った子は世界に愛をみつけます」

子どもたちは未来そのもの。
子どもも大人も楽しく生きられる社会を夢見て。

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◎子育て参考サイト
子どもに言ってはいけない12の言葉

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